【ネオス最前線】
ネオスの技術と発想力で キッズ市場のニーズを掘り起こす

Key Person

エデュテックサービス部長 長嶋 朗担当者写真①

住宅メーカーに10年以上勤務し、デザイン系の業務に従事。「ゲームを作りたい」との思いから転職した先で、現ネオス社長の池田と出会う。以後、ネオス創業メンバーの一人として、アプリ開発やキャラクターコンテンツ事業を牽引。プライベートでは、子どもと一緒にアウトドアを楽しんでおり、スケートボードに熱中しすぎて骨折したことも。「将来的にはキッズとシニアの領域をくっつけたい」と、つねにモノ作りの構想を練っている。


 

親が安心して子どもに渡せるコンテンツを

担当者写真②
 もともと私が従事していたのは、通信キャリアがそれぞれ独自に構築したクローズドマーケットにおいて、アプリやデジタルコンテンツを開発して、コンシューマーに販売するというビジネスです。しかし、スマートフォンの台頭でマーケットがグローバル化し、競争が激化しました。そこで、今までのサービス開発で培ったノウハウを活用できる領域として、キッズ市場に着目したのです。
 プライベートでも同時期に子どもが生まれ、一緒に街を歩くようになると、「ここはあまりデジタル化していないな」などの気づきがある。それまで見えなかった「子ども周辺のビジネス」が見えるようになったこともきっかけになりました。

 当時はiPadが出始めの時期で、店舗にはiPadを自由に使えるコーナーがあったのですが、ほとんどの子どもがゲームをやっていました。お店もそれを承知で子ども向けのアプリを最初から入れて、子どもが集まってくる仕掛けをしていました。それを見た時に、「子ども」と「タブレット」が結びついた。教えなくても操作を感覚的に理解するし、ふだん親から止められているゲームをやりたい衝動がすごくある。だったら親が安心して子どもに渡せるコンテンツを提供できたらビジネスになるのではないか。そう考えました。
 第一弾として玩具メーカーと、子ども向けタブレットを作る取り組みを開始。アプリを開発して完成品までいきましたが、先方の事情で世には出ませんでした。しかし、この経験が活きて、その後ドコモが子ども向け知育サービスとして『dキッズ』を展開する際に、コンテンツ開発に参入させていただきました。

 

一から作れる”ネオスの人財と組織力が強み

ちずモン『dキッズ』の新サービス【ちずモン】

 

 『dキッズ』で私たちが当初手がけたのは2つのサービスです。ベネッセ「こどもちゃれんじ」の人気キャラクター『しまじろう』を用いた知育アプリ【しまじろうパーク】と、ぬり絵に3Dインタラクティブというスマートフォンアプリならではの要素を加えた【とびだす★おえかき for dキッズ】。どちらもかなり高評価をいただき、今では7つのサービスを提供させていただいています。『dキッズ』は月額制の有料サービスですが、会員数も急速に広がり、開始から約2年で50万人近くになっています。

 新規参入の分野で、毎回評価の高いコンテンツを提供できた理由には、私たちにキッズ向けのバックボーンがなく、一から企画開発を進めたということがあると思います。他のコンテンツプロバイダーの多くは、既存の人気キャラやコンテンツを『dキッズ』向けに移植するという発想でした。一方私たちは『dキッズ』に何が求められているのかを真摯に模索して、「子どもに楽しんでもらう。親御さんに安心して選んでいただく。その二つを実現するのに、ごまかしはきかない。とことんやろう」と、企画・デザインを社内でじっくり創り上げました。加えてネオスはキャラクター系コンテンツの開発に関しては、豊富な実績とノウハウがあります。企画とクリエイティブができる組織であったことがとても大きいと思います。
 参入当初は、出版社や教育産業などキッズ分野に強い企業と協業し、専門家をまき込んで事業を進めましたが、最近は知育教育のメソッドやコンテンツを自社開発できる力がついてきました。例えば都道府県をキャラクター化して、日本地図を楽しく継続的に学習できる【ちずモン】は完全なオリジナルアプリです。2016年2月のリリース後、すぐに大好評となり、『dキッズ』ランキングでもかなり上位に入っていると聞いています。

 

アプリとIoTを2本の柱に事業拡大を図る

 キッズ市場は、少子化で人口が少ないという課題があります。特に知育アプリのターゲットは、小学校に上がる準備段階でひらがなや英語の需要がある3~6歳が全体の70~80%を占め、人口規模は400万人程度と考えています。小学生、さらに9歳くらいになると本人の嗜好が強くなる一方で、需要が知育よりも進学関連に向かいます。かといってエンタメ分野では他のゲームメーカーなどのデバイスとぶつかってしまいます。
 その一方で、親が買い与える以上、課金が確実な市場ともいえます。親が安心して与えられる知育アプリを、キャラクターやゲームの要素を加えて、より楽しいものにして提供する、それがネオスの考えるエデュケーション分野の指針です。

 『dキッズ』向けでは、今後ポプラとの協業で、児童書として最大級の人気をもつ『かいけつゾロリ』を使った国語学習アプリをリリースします。ほかに、視覚・聴覚・触覚を刺激しながら
感覚的に数量概念を身につけられる「感覚教育」のメソッドを採り入れた【うごくさんすう】など、今年度中に全9シリーズとしてシェアを維持していく予定です

担当者写真③

 一方で、私が所属するエデュテックサービス部では、さらなる事業の拡大を目指して、2016年度からアプリ事業とIoT事業の2つに大きく事業を分けています。アプリ事業では『dキッズ』以外にも市場を拡大して、マルチプラットフォーム戦略を本格化したいと考えています。

 またIoT事業では、商業施設などをターゲットに、スマートデバイスを活用した新しいキッズ向けサービスの企画提案・パートナー開拓を進めています。今年の夏には実証実験、年末商戦には正式投入を目指しています。現在はこの2つの事業を柱として各々の幹を太くしていくことに集中しますが、将来的にはグローバルな展開、またキッズとシニアの領域をくっつけるような展開も視野に入れて事業を進めていきたいと思います。

 

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