【クライアントインタビュー】
「勉強への楽しさを追求したい」という想いにネオスのコンテンツがピッタリはまりました
生徒1人ひとりの”自ら学ぶ姿勢“を育てるという方針の下、少人数指導を行う学習塾「栄光ゼミナール」を全国展開している株式会社栄光様。生徒の学ぶ意欲を引き出すべく、塾だけでなく家庭学習までフォローするとともに、常に新しい学習サービスの開発にも取り組まれています。
2017年には低学年向け家庭学習サポートアプリの提供を開始し、ネオスは楽しく学べる学習コンテンツの企画・開発を担当しました。今回、プロジェクトを担当された低学年指導責任者の佐藤様、麻布十番校にて低学年指導専任講師をされている塚木様に、ネオスとの取り組みやデジタル教材の活用について、お話を伺いました。
「勉強への楽しさを追求したい」という想いに、ネオスのコンテンツがピッタリはまった
―今回、ネオスがお手伝いさせていただいた案件について教えてください。
小学校低学年向けに提供している、家庭学習の進捗を管理するCATS@Homeジュニアというアプリ内の、「やってみよう 算数」、「みてみよう 算数」、「みてみよう 筆順」というコンテンツを開発いただきました。
元々、生徒達に宿題を出す際はテキストのページを指定したり、日割りの予定表や付箋で指示をしたりしていました。しかし、範囲を間違えてしまう子がいたり、保護者や先生の確認の手間もかかったりすることから、アプリで表示・管理することで効率化出来ないかと考え、このCATS@Homeジュニアの提供が始まりました。
アプリに切り替えてから一年ほど経ちましたが、実際に現場の先生からはかなり効率的になったとの声が上がっています。また、1人ひとりの進捗をデータ上で管理できるようになったことで、毎日コツコツやるタイプなのかまとめて取り組むタイプなのか等、宿題だけでなく生徒の性格なども含めて把握出来るようになりました。
その中でも、今回開発いただいたネオスさんのコンテンツは、テキストをガリガリやるのとは違い、触って楽しみながらできるデジタルコンテンツならではの良さが活かされており、メリハリを持って取り組めるので生徒からもすごく好評です。
―ネオスにコンテンツ開発を依頼することになった経緯をお聞かせください。
ネオスさんがdキッズ※で提供している「うごくさんすう」等の知育コンテンツを拝見し、年少者向けのコンテンツ開発実績と見やすい構図や色・UIで作られている点に魅力を感じてご相談したことがきっかけです。実際に私もコンテンツを触ってみて、子ども目線でのやり易さや楽しさを実感しました。
※NTTドコモが提供している知育サービス
学習コンテンツというと、仕様や内容もいわゆる勉強寄りの硬いものになりがちですが、実際に出来上がっていく過程を見ながら、子ども達が楽しめるような要素をしっかり入れて制作されていると感じました。そもそも低学年向けなので、「勉強への楽しさを追求したい」という思いがあり、開発の段階から、低学年が本当に楽しいと思えるもの、自分からやりたくなるものにしたいと考えていました。
―そういった点で、ネオスのコンテンツがぴったりはまったと
そうですね、まさにピッタリはまりました。教材のデジタル化については、中学年以上は成績向上に直結するような内容ですが、低学年は学習の習慣をつけるとか、楽しく学ぶことをメインに、触って楽しむ・扱いやすくすることを目的にしています。結果として私達が思った通りに生徒たちも取り組んでくれているので、コンテンツがマッチしていたということだと思います。
「栄光の普段の教え方がそのままアプリになった」
―開発の進め方についてはいかがでしたか?
コンテンツの企画から開発までの過程において、こちらからの要望だけでなくネオスさんからもご提案くださり議論していった中で、質が高く、顧客目線にも配慮したものができたと思っています。
私達の普段の教え方をお伝えすると、「こんなイメージですか?」と案を提示してくださり、「まさにこれです!これならやり易いです」と、こちらが驚いてしまうようなやり取りもよくありました。ネオスさんで持っているdキッズ向けなどの既存コンテンツも参考にしながら、どんなコンテンツを入れていくかを検討していきました。
あとは見せ方の部分で、例えば算数の「水のかさ」についての問題であれば、100mlをどう表現するかなど細かい部分まで確認させてもらいました。「こんな表現はどうですか?それよりもこの動きの方が分かり易いのでは」と、都度相談し進めることが出来たのが本当にありがたかったですね。
特に算数においては、計算の結果だけでなく過程も重要になります。例えば、3×6は「3が6個ある」という意味の計算式です。「6×3」でも答えは同じですが、文章題だと計算式の順番が異なるので、正解になりません。計算式の意味を理解させるためにアニメーションを活用するなど、数の概念を伝えるための工夫がされています。
途中の進捗確認もそれぞれ意見を出し合ってこまめに確認しながら進め、動きで表現する部分はアニメーション化する前の段階で、パラパラアニメを作ってイメージを擦り合わせるなど、仕様の部分については二人三脚で綿密な仕様検討をしていきました。
―今回、栄光様向けにいくつかの機能も新規・追加開発させていただきました
そうですね、例えば「うごくさんすう」に実装されている、かけ算で“繰り上がり”が出てきた際に画面上に数字を置いておける機能が画期的だったため、”繰り下がり”の概念が出てくるわり算にも同様の機能を追加開発いただきました。手書きで筆算をする時は忘れないよう小さくメモをしておきますが、それをデジタルで再現しようとはなかなか思い付かないですよね。そういった点も、やはり手でノートに書いて学習するのと非常に近いものになっていると思います。
通常のデジタルコンテンツだと、空欄に答えを入れて判定するだけのものも多く、途中の経過が見えないので、結局、過程を記したノートを生徒に提出させないとなりません。途中経過も重要なので、そういった部分まで見える仕様になっているのはありがたいです。低学年の子どもたちにとっては、結果的に答えが間違っていたとしても触りながら取り組む過程が学びに繋がります。
これまで黒板上で先生たちが頑張って伝えていた内容を、デジタルでも同じように再現ししてくださったことで「栄光ゼミナールの普段の教え方がそのままアプリになった」と感じています。普段習っている手順や内容とギャップが生じることもないので、生徒も戸惑うことなくスムーズにデジタル教材に馴染めていると思います。
その他、より技術的な観点においても、このOSでこのブラウザだとこういう挙動になる、という説明や、要件ごとに費用感の提示があったこと等、システム会社の目線で細かな確認や共有をしてもらったことも助かりました。
―家庭学習用のコンテンツとして提供させていただきましたが、教室でもご利用いただいていると伺いました。
家庭学習をメインに使っていますが、1コンテンツ2~3分で終わるので教室にタブレットを持ってきて授業の休み時間に使っている子もいますね。家庭学習では一人一台ですが、教室でも大きめのタブレットさえあればプロジェクターを繋がなくとも画面を見せながら内容を共有できるので、授業でも活用しています。
あとは動画コンテンツも重宝していますね。例えば、授業に入る前にその日の学習内容を説明した動画を見せておくことで、生徒も内容を把握した状態でスムーズに理解することが出来ます。
算数や理科のように、作画や実験などで道具を使う科目では使い方から説明する必要があり、全教室でツールを準備したり、実演しながら教えたりするのはなかなか手間や時間がかかります。そこが動画などのデジタルコンテンツであればタブレットひとつで済むのはすごく助かります。生徒に対してだけでなく、新入社員の研修でコンテンツや動画を学習内容の説明や共有に使うこともありますよ。
―アプリの提供を開始して約一年とのことですが、保護者の方の反応はいかがでしょうか。
先生だけでなく保護者の方も、宿題の進捗や理解度を把握する事が出来るようになりました。従来のように確認や丸付けの際にもわざわざ教科書やテキストを出さずとも、タブレットさえあればすぐ一緒に確認が出来ますから、管理もしやすいと評価いただいています。また、遊びながらゲーム感覚で取り組めることから生徒自身も進んで宿題をやるようになり、保護者側の負担も減ったとの声もいただいているので、当初考えていたアプリ化の狙いは達成出来ていると思っています。
今回追加した「やってみよう 算数」等のコンテンツも、夢中になって次の週の宿題も先取りして取り組む子もいるぐらい好評で、やはりそれだけ魅力のある内容に仕上がっていると思いますね。休憩時間や授業前にも夢中になりすぎて、先生が声をかけても「あとこれだけ!」と言いながらやる子もいたりして、コンテンツでモチベーションを引っ張ることができるぐらい食いつきが良いです(笑)。
―一般的に、デジタルコンテンツに対する抵抗感や懸念などをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、その点はいかがですか。
生活の中でもスマホやタブレットが普及し、学校からも学習用に配布されることもあるので、デジタルに対してのご家庭の抵抗感はあまり無いように感じています。どちらかというと、他の使い方をしてしまう(動画視聴サイトの閲覧など)方が懸念されたりしますが、そこは栄光ゼミナール独自で閲覧制限をかけているので安心して使っていただいています。
子ども達も端末の扱いに慣れており、教室に持ってきた時は連絡事項の書かれた掲示物をカメラで撮って親御さんに見せるなど、教材として以外の活用方法も子どもたち自身で考えて使いこなしている様子をよく見かけますね。
人とデジタル教材のシナジーを、より強める学習指導の実現を目指す
―御社での今後のデジタル教材活用の課題や展望を差し支えない範囲でお聞かせください。
これからは教室現場における教師の指導、紙の教材、デジタル教材・ツールのそれぞれの良いところを生かした整理が必要だと考えています。デジタル教材やツールは、子どもたちが紙の上だけでは理解しにくい内容を、魅力的なコンテンツでわかりやすく伝えたり、覚えた知識をチェックしたり、学習状況の分析をしたりすることには向いていますが、学習の意欲を引き出すには大好きな教師からの声かけがあったほうが効果的です。
人とデジタル教材のシナジーを、より強める学習指導の実現を目指していきたいと考えています。
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